チャンピオンのリバースウィーブを筆頭に今尚人気の衰えることを知らないヴィンテージスウェット。デザイン、プリント、カラーなど近年のスウェットにはみられない特徴があって魅力的ですよね。ヴィンテージスウェットの魅力は単に洋服というカテゴリーを超え、スウェットが今まで経てきた年月や、そのスウェットと共にした人生まで垣間見られるといった一面があるのではと思います。
ただその一方で、クセの強いアイテムといった印象をお持ちの方も多いかもしれません。穴が空いていたり、プリントが剥げていたりすると「ボロい」「汚い」といった印象を持たれることも。
上手にコーディネートしないとなかなか着こなせないアイテムとも言えるでしょう。今回はそんなヴィンテージスウェットの着こなし術についてご紹介いたします。
ヴィンテージスウェットは色で遊ぶ
同じ黄色であってもよく見てみると最近ではあまり見かけない感じの色合いであったり、明度や彩度が微妙に異なっていたりと洋服やメイク、車など何にでもその時に流行する色があります。
例えばレトロ調の色彩であればミッドセンチュリーや50、60年代を、ビビットカラーの原色であれば80年、90年代、近年では蛍光色といった具合に色はその時代感を感じさせる大切な要素です。
時代感のある色使いのヴィンテージスウェットをコーデに取り入れる際におすすめなのは、ズバリ一点突破コーデ。スウェット以外を同系色、あるいは同じ色にしてしまって、とにかくスウェットが目立つようにコーデしてもアリだと思います。
「色が好き」「プリントが好き」「この風合いが好き」といった内なる叫びを表現してみてはいかがでしょうか。
渋みこそ至高のスレヤレコーデ
ヴィンテージアイテムの魅力といえば着古すことで生まれたスレやヤレ。使い込まれたことでしか見ることのできないヴィンテージならではの表情といってもいいでしょう。そういった特徴を積極的にコーデに取り入れられてみても良いでしょう。
ダメージドジーンズや、エイジングの効いたレザージャケットなどと併せて、着尽くした馴れの果てを演出すると大人の渋みや、小洒落た雰囲気が出てオススメです。
またさらにハイレベルなコーデとしては、リメイクアイテムを取り入れられるのもいいでしょう。
画像はヨーロッパで伝統的に行われている、穴あきやスレなどの服の補修を針仕事ダーニングが施されたシャツです。これまで貧乏くさいと言われていたものも、時代の流行によってガラリと印象が変わることもファッション業界にはよくあります。
確かにクセの強いアイテムではありますが、着古したヴィンテージスウェットをうまく最新の流行にフィットさせるテクニックとして、伝統的な技術を取り入れる方法もアリなのではないでしょうか。また、ダーニングと同様にパッチワークやキルトを使ったアイテムとの相性も良いでしょう。パッチワークは布の端切れや、古着を裁断してもう一度生地として使えるようにするテクニックで、様々な色やパターンのチェック柄を用いたものや、伝統的な文様を用いたものなどが一般的です。一部既製品の中にはあえてパッチワーク風にデザインされたものもありますが、Hand Madeで仕上げられたものの中には一点もの、完全にオリジナルといったものもあり、非常に珍重されています。
このような技術はもっぱら欧米で培われたもので、近年になるまであまり日本のメインストリームでは見かけることがありませんでした。しかし最近ではあえて古着のみを素材として使うことで新しいものづくりに挑戦されているブランドもちらほら見かけるようになり、SDGsの観点からも見直されてきているのではと思います。
迷ったらそれはデニムを選ぶ時
もはやあえて書く必要はありません。コーデに迷ったらデニムでいいのです。ただし、デニムを選ばれる際はウォッシュのかかった古着テイストのものを選ぶようにしましょう。
リジッド系のデニムだとスウェットだけが浮いてしまってチグハグな印象を与えてしまいかねないので注意が必要です。デニムを使ったコーデはシンプルかつ誰にでも簡単に実践できそうなイメージがあると思いますが、お洒落なコーデに見せるには意外とハイレベルで難しいかもしれません。
ブルージーンズが苦手に感じられる時は、あえてブラック系やベーシックカラーのものを選ばれるのも良いと思います。
まとめ
以上がヴィンテージスウェットの着こなし術になります。
クセの強いアイテムだからこそ、何にでも合わせて着られるわけではないという事がお分かり頂けたでしょうか。ただ扱いづらいアイテムだからこそ、着こなせているとみると「おっ」となるのも事実。今回ご紹介したテクニックを駆使して、人とは一味違うコーデにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。